AI 自動化の革新:AutoML と AI Agents が切り拓く未来

こんにちわ、研究所です。

今日は機械学習の自動化の仕組みであるAutoMLについてみていきたいと思います。

1. AutoML(自動化された機械学習)とは?

AutoML(Automated Machine Learning)とは、機械学習のモデル構築プロセスをほぼ人手不要で自動化する技術のことさします。下記に示すような「生データの前処理から特徴抽出・モデル選定、ハイパーパラメータ調整、最終的なモデルのデプロイまでの一連の流れ」を、専門知識を必要とせず自然言語入力だけで実現できる点が特徴です。

機械学習のプロセスの流れ

① タスクと評価指標の設定

② データ準備と分割

③ 特徴量の作成(Feature Engineering)

④  モデル選択・学習

⑤ モデルの評価・チューニング

⑥ モデルのデプロイ

機械学習についてはこちらの記事でもご説明しています。

この結果、非専門家でも高精度な ML モデルを短時間で作成・運用しやすくなっています。

加えて、近年ではLLM(大規模言語モデル)と連携する AutoML-Agentという新たな枠組みが登場しました。複数の役割特化型エージェント(データ処理担当、モデル構築担当、検証担当など)が協調しながら、自動でパイプライン全体を処理します。
そのため、従来の単一モデル型 AutoML よりも柔軟で効率的な成果が得られている点が注目されています。

2. AI Agents(AI エージェント)とは? AutoML との違いも解説

AI Agents は、「人間の介入を最小限に、自律的に判断・タスク実行するソフトウェア」です。
「AutoML|モデル構築支援」ではなく、「タスクを自ら遂行する行動主体」と捉えるのが本質的な違いです。特に注目されているのが Agentic AI と呼ばれる進化概念で、複数の AI エージェントが協調して複雑な目標を達成します。つまり、人手によるルール設定不要で状況判断し、実行プランを生成した後、分担したエージェント間で計画を遂行・統括する枠組みです。

たとえば、製造現場のセンサーデータ解析や金融トレーディングにおける市場変化への迅速対応など、学習と実行を合わせ持つ点が新しい潮流です。

AI Agents は単なるルールベースオートメーションよりも一歩進んだ形式であり、自然言語、画像、音声など複数モーダルを活用しながら状況に応じて自律行動できる能力が特徴です。


3. 2025年の AI 自動化最新動向と採用トレンド

3‑1. 市場動向と成長性

  • AI Agents 市場規模は2025年に約76億ドルと推定されており、2024年の54億ドルから急成長。2025~2030年の CAGR は約45% に達すると見込まれています。
  • Enterprise 採用については、企業の約85%が2025年末に AI エージェントを導入予定で、効率化と生産性の向上に大きな期待を寄せています。

3‑2. 業種別ユースケースと導入成果

  • ソフトウェア開発支援では、GitHub Copilot Reviewer、Cursor BugBot、CodeRabbit 等が普及。
    日米では2025年時点、企業の約82%が AI によるコードレビュー支援を導入済
    ただし、AI が自らコードを完全に生成・提出する「フルエージェント型」は企業の約8%にとどまっている点は留意すべきです。
  • カスタマー対応や企業のバックオフィス業務においても、ServiceNow や Salesforce、SAP が AI エージェント透過的に導入。処理時間を 約52%削減する事例も見られ、人的オペレーション負荷の軽減に貢献しています。
  • Noma Securityなどの新興企業は、AI エージェントの暴走やセキュリティリスクに対しリアルタイム監視と脆弱性検出のソリューションを提供。自律型 AI の安全運用への懸念が高まっています。

3‑3. プラットフォームと技術インフラ

  • AWS は 2025年に Amazon Bedrock AgentCore を発表。エンタープライズ規模での AI エージェント開発・運用をサポートする基盤となり、インフラ整備と管理の敷居を大幅に下げるものとして注目されています。
  • OpenAI も AI エージェント向けカスタムビルド環境を提供し、顧客企業は自社業務向けのエージェント開発や試験運用を行っています。


4. AutoML と AI Agents を統合的に使うには?

  • AutoML-Agent 系フレームワークは、LLM(大規模言語モデル)をコアに据えて、AutoML と複数 AI Agents の協調処理を実現します。
    これにより、データ準備からモデル開発、検証、デプロイまでを自律化しながら、成果品質の向上と非専門家による利用が可能になります。
  • たとえば、ソフトウェアの設計要件から実行可能なコードまで自律型 AgentMesh システムを用い、各エージェント(プランナー、コード生成、デバッグ、レビュー)が分業する構成も研究されています。


まとめ

AutoML と AI Agents/Agentic AI の登場により、AI 自動化は単なる “支援” から “自律的行動” への転換期を迎えています。AutoML は非専門家でも高度な ML モデルを簡便に構築できるように進化し、AI Agents は企業の業務や開発において人手不要でタスクを遂行するデジタルエージェントとして飛躍しています。

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