【入門】Delta Sharingとは?Databricksで実現する次世代のデータ共有についてわかりやすくご説明します!

みなさん、データ共有ってどうしていますか?
メールでCSVを送ったり、S3に置いたファイルのURLを共有したり…。実はどれも手間やセキュリティリスクが多い方法です。

そこで登場するのが Delta Sharing(デルタシェアリング)
Databricksが提唱する「安全でオープンなデータ共有プロトコル」で、クラウド時代に最適化された仕組みなんです。

この記事では、

  • Delta Sharingの基本
  • 仕組み(裏側でどう動いているのか)
  • Databricksでの使い方
  • コストと制約

を、シンプルに解説していきます。

Delta Sharingとは?

一言でいうと、「クラウドネイティブな安全・簡単データ共有の仕組み」 です。

ポイントは次の2つ:

  1. オープンプロトコル
    Databricks専用ではなく、SparkやPandas、Power BIなど、対応するクライアントなら誰でも利用可能。
  2. リアルタイムの共有
    データをコピーせずに共有できるので、常に最新データを安全に配布できる。

つまり「相手がどんなツールを使っていても、同じテーブルを直接参照できる」世界を実現してくれるんです。

[データ提供者] -- Delta Sharingサーバー -- [データ受信者]

登場人物は「提供者」と「受信者」

Delta Sharingには2つの当事者が登場します。

  • データ提供者(プロバイダー)
    Delta Sharingサーバーを通して、共有したいテーブルを公開する。
  • データ受信者(コンシューマー)
    SparkやPandas、Power BIなどのクライアントから、その共有データを利用する。

イメージはこんな感じです👇

受信者は「読み取り専用」でデータを利用できます。これがセキュリティ上の大きなポイントです。

仕組みを覗いてみる

では裏側では何が起きているのでしょう?

  1. 受信者が「orders テーブルを見たい」とサーバーにリクエスト。
  2. サーバーはアクセス権限を確認。
  3. 許可された場合、S3などクラウドストレージ上の対象ファイルにアクセスできる 一時的なURL を発行。
  4. 受信者はこのURLを通じてクラウドから直接データをダウンロード。

つまり「サーバー自体はファイルをコピーしない」。
クラウドストレージを直接活用することで、大規模データでも高速・効率的に共有できるんです。

DatabricksでのDelta Sharing

Databricksでは Unity Catalogと統合 されています。

  • Unity Catalogでアクセス権限を管理
  • SHARE オブジェクトを作成して、テーブルやビューを共有
  • GRANT文で受信者に権限を付与

さらに共有方法は2種類あります。

  1. Databricks to Databricks Sharing
    Unity Catalogを使うDatabricksワークスペース間での共有。テーブルだけでなく、ビューやノートブックまで共有可能。
  2. Databricks Open Sharing Protocol
    Databricksを使っていないユーザーとも共有できる。SparkやPandas、BIツールなど幅広く対応。

コストと限界

メリットが多いDelta Sharingですが、知っておきたい注意点もあります。

  • コスト
    データをコピーしないので「余計なストレージコスト」は不要。
    ただし、他クラウドや海外リージョンに転送すると データ転送料(エグレスフィー) が発生します。
  • 限界
    • 共有されたデータは受信者にとって 読み取り専用(書き込み不可)。
    • データ形式は Delta Lake形式限定

これらの制約を理解した上で使えば、非常に強力な共有手段となります。

まとめ

Delta Sharingを一言でまとめると、

👉 「コピー不要、クラウド最適化、安全でオープンなデータ共有」

  • 異なるクラウドやプラットフォームをまたいでも安全にデータを共有できる
  • DatabricksではUnity Catalogと統合されており、数コマンドで実現可能
  • 転送コストと読み取り専用の制約に注意

データ連携に悩んでいるチームにとっては、まさに救世主のような仕組みです。

次回は、これと並んで注目されている Lakehouse Federation(レイクハウス・フェデレーション) について取り上げます。

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