大規模分析・AI活用に強みのあるGCP(Google Cloud Platform)とは?GCP(Google Cloud Platform)とは?

GCPとは

Google Cloud Platform(GCP)は、Google検索やYouTubeと同じスケールのインフラ上で、コンピューティング・ストレージ・AI・分析の200以上のサービスを提供するクラウドです。特にデータ分析領域では、サーバレスDWHのBigQueryを中心に、取り込み・加工・可視化・ガバナンスまでを一気通貫で構築できる点が強みです。

データ&分析基盤の主力サービス

BigQuery

フルマネージドで超並列処理に最適化されたエンタープライズDWH。ストレージとコンピュートの分離、秒単位のスケール、クエリ課金/定額など柔軟な料金モデルを備え、近年は“データからAIまで”を自動化するプラットフォームとしても進化しています。Google Cloud+1

取り込み・ストリーミング

グローバル分散のメッセージングPub/Subで高スループットのイベントを非同期連携し、DatastreamでOracle/MySQL等からCDC(変更データ捕捉)により低遅延でBigQueryやCloud Storageへ複製できます。基幹DBの変更をそのままパイプラインに流し込み、リアルタイム分析やレプリケーションを実現します。

データ処理

サーバレスのDataflow(Apache Beam)でバッチ/ストリーム一体のコードを記述し、ワークロードに応じて自動スケール。Hadoop/Sparkを既存資産として活かすならDataprocでクラスターを短時間起動して実行します。GUI主体のETLが必要ならData Fusion、複数ジョブを跨ぐ依存制御はCloud Composer(Managed Airflow)が適任です。

レイクハウス

Cloud Storage上のオープンフォーマット(例:Apache Iceberg)を“外部テーブル”として一元管理し、BigQueryやOSSエンジンから同一データをクエリ可能にします。DWHとデータレイクを跨いだ統合アクセス層として機能するため、マルチクラウドやツール混在環境でも一貫したデータ利用ができます。

ガマナンス/カタログ

Dataplexが中核。スキーマやデータ品質、系統(リネージ)、ドメイン編成を横断的に管理し、BigQuery/BigLake/DBを跨いだ統一カタログ(Universal Catalog)を提供します。手作業になりがちなガバナンス業務を自動化・常時適用可能にするのが特徴です。Google Cloud+1

可視化/BI

可視化とBIサービスは2種類存在。エンタープライズBIのLookerは、LookMLによる“モデル化されたSQL”で一貫したKPI定義と信頼できるダッシュボードを提供。セルフサービス可視化やレポート配布の軽量ニーズにはLooker Studioが手早い選択です。

機械学習との統合

BigQuery内で回帰/分類/時系列などを実行できるBigQuery MLに加え、フルマネージドのVertex AIで学習〜デプロイ〜生成AIまで一気通貫。データ基盤とAI基盤が同じコントロールプレーン上で接続されるため、ETL後の特徴量供給やオンライン推論の運用が簡素化されます。

GCPの強みと特徴

  • スケール性能×コスト最適化:ペタバイト級でも秒〜分オーダのクエリを実現し、クエリ/容量課金や定額のハイブリッドでTCO設計しやすい。
  • オープン性:Apache Beam/Spark/KubernetesなどOSSと親和性が高く、レイクハウスでもIcebergを公式サポート。ツールロックインを抑制できます。Google Cloudbeam.apache.org
  • データからAIまでの一気通貫:Pub/Sub→Datastream→Dataflow→BigQuery/BigLake→Dataplex→Looker/Vertex AIという“標準導線”が整備され、設計が単純化。

注意点

レガシーなWindows中心のワークロードや商用RDBMSの堅牢な既存運用が前提の場合、他クラウドと比べて“移行のやり方”に工夫が必要です。たとえば、まずCDCでデータ複製(Datastream)→段階的にDWH/BIをBigQuery/Lookerへ移す、といった移行計画が現実的です。また、BigQueryの料金(オンデマンド/定額、物理化/外部テーブル、キャッシュ、ストレージクラス)を理解しないと、コスト最適化に差が出ます。

まとめ:GCP導入のポイント

  1. 大規模・リアルタイム分析なら、Pub/Sub+Datastream+Dataflowでイベント駆動に整え、BigQuery/BigLakeで統合分析、Dataplexで横断ガバナンス、Lookerで意思決定へ――という標準パターンが最短距離。Google Cloud+5Google Cloud+5Google Cloud+5
  2. AI連携はVertex AIを前提に、オフライン学習とオンライン推論の導線を早期に設計。BigQuery ML/Feature連携も検討して、モデルのライフサイクルを単純化。Google Cloud
  3. コストとロックインは、BigLakeの外部テーブルやLookerのガバナンスで“オープン設計”を保ち、料金モデルは試算ツールとメトリクスで継続監視する――これが失敗しないGCP分析基盤の定石です。
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