こんにちわ!データクラウド研究所です。
今日は、データ可視化ツールであるBIツールの一つである「PowerBI」について見ていきたいと思います。AWSのQuickSightやTableauと同じようにPowerBIも有名なBIツールなので是非、概要を抑えていきましょう!
Table of Contents
そもそもPower BIとは?
「Power BI(パワービーアイ)」は、Microsoftが提供する「BI(Business Intelligence)ツール」です。
ExcelなどのスプレッドシートやCSVファイル、データベース、クラウドサービス(Azure、Salesforce、Google Analytics など)と接続し、データをわかりやすいグラフやダッシュボードとしてデータを可視化することができます。BIツールとしての特徴は以下の通りです。
- 豊富なデータ接続先:オンプレミスのデータベースからクラウドサービスまで幅広く対応
- 直感的な可視化:ドラッグ&ドロップでグラフや表を作成可能
- インタラクティブな操作:ユーザーがクリックすると関連するデータが自動で絞り込まれる
- クラウド連携:Power BI Serviceを通じてWeb上でレポート共有・コラボレーションが可能
AWSの QuickSight や Googleの Looker Studio と同じく「データを誰でも見やすく扱えるようにする」ことを目的としたBIツールですが、Microsoft製品との親和性(ExcelやAzure)に強みがあります。
Power BIとPower BI Desktopの違い
Power BIには複数の利用形態がありますが、特に混乱しやすいのが「Power BI Desktop」と「Power BI Service(クラウド版Power BI)」です。
- Power BI Desktop
無料で利用できるWindowsアプリケーション。ローカル環境でデータの取り込み・加工・可視化を行える。レポートを作り込むのに適している。 - Power BI Service
ブラウザからアクセスできるクラウド版。Power BI Desktopで作成したレポートをアップロードし、共有・コラボレーションや自動更新を行える。
つまり、Power BI Desktopは「開発・設計用」ツール、Power BI Serviceは「公開・共有用」ツールという役割分担があります。
QuickSightやLooker Studioが基本的にWebブラウザベースで操作するのに対し、Power BIではまずDesktopで作り、必要に応じてクラウドに公開する流れが一般的です。
Power BI Desktopの特徴
Power BI Desktopは、以下のような利用者におすすめです。
- まずは無料でPower BIを試してみたい人
- Excelでは扱いにくい大規模データを分析したい人
- 社内データをローカルで扱いつつ、必要に応じてクラウドに公開したい人
Desktopでは、データのインポートからクリーニング(不要列の削除、欠損値処理)、DAX(Data Analysis Expressions)を使った計算列の作成、そしてグラフ・テーブルの配置までを一貫して行えます。
基本機能の整理
Power BIの魅力は「インタラクティブな操作性」です。代表的な機能を整理します。
1. クロスフィルター(クロスハイライト)
クロスフィルターは、あるビジュアルの要素をクリックすると、他のグラフやチャートが自動で連動してハイライトされる機能です。
例:
- 「地域別売上」の棒グラフで「関東」をクリックすると、横にある「製品別売上グラフ」が関東分だけに絞り込まれる。
これにより、ユーザーは特定のディメンションにフォーカスしながら全体像を把握できます。QuickSightやLooker Studioでも似た機能がありますが、Power BIは動作が直感的でスムーズなのが特徴です。
2. スライサー
スライサーは、ダッシュボード上に配置できる「絞り込み用のUIパーツ」です。
チェックボックスやドロップダウンを使って、対象データを簡単に切り替えられます。
例:
- 年度スライサーを追加して「2022年」を選択すると、他のグラフすべてが2022年データに切り替わる。
ユーザーが自分で条件を選べるため、操作性の高いダッシュボード作成に不可欠な機能です。
下記のダッシュボードの中で、赤枠に囲まれた部分が「スライサー」と呼ばれるものです。

3. フィルター
フィルターは、特定の条件でデータを制御する仕組みです。Power BIには大きく3種類あります。
- ビジュアルレベルフィルター:特定のグラフにだけ適用
- ページレベルフィルター:そのページにある全てのビジュアルに適用
- レポートレベルフィルター:全ページにまたがって適用
例:
- 「売上 > 0」の条件をレポートレベルフィルターに設定 → マイナスデータを全ページから除外
スライサーが「ユーザー操作による切り替え」なのに対し、フィルターは作成者があらかじめ制御する固定条件という位置づけです。
QuickSight・Looker Studioとの違いを踏まえて
すでにQuickSightやLooker Studioを触った方なら、Power BIの特徴を以下のように理解するとスムーズです。
- QuickSight:AWS環境との親和性が強く、クラウドデータの自動更新が得意
- Looker Studio:Googleサービスとの連携に強く、無料で軽量に使える
- Power BI:Excel/Azureとの統合が強力で、Desktop版による高度な設計とクラウド共有の両立が可能
まとめ
Power BIは、Microsoftが提供する強力なBIツールで、Desktopで作成 → クラウドで共有というワークフローを特徴としています。
- Power BIとDesktopの違い:Desktopはローカル開発用、Serviceは共有用
- クロスフィルター:クリックで他グラフを連動
- スライサー:ユーザー操作で柔軟に絞り込み
- フィルター:作成者側が条件を制御
QuickSightやLooker Studioと合わせて理解することで、自社の利用環境に最適なBIツールを選ぶ判断材料になるでしょう。