近年、データ活用の民主化が加速する中で「SQLを直接書けないビジネスユーザーでも自由にデータを分析したい」というニーズが高まっています。その解決策の一つが 自然言語をSQLに変換(Text to SQL) する仕組みです。本記事では、Streamlit on Snowflake と Snowflake Cortex を組み合わせて、Webアプリ上で自然言語からSQLを実行するアーキテクチャを解説します。
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Streamlit on Snowflakeとは
Streamlit on Snowflake(SoS)は、Snowflakeの環境内で直接Streamlitアプリを実行できる機能です。これにより、外部のインフラを構築せずに データ分析アプリや可視化ダッシュボードをSnowflake内で完結 できます。ユーザーはSnowflakeの認証を用いて安全にアクセスでき、データ転送の負荷も削減できます。
Snowflake Cortexとは
Snowflake Cortexは、Snowflakeが提供する生成AIと機械学習のネイティブ機能群です。その中でも「Text to SQL」機能は注目されており、自然言語による質問を受け付けて、自動的にSQLクエリを生成します。これにより、SQLの専門知識を持たないユーザーでもSnowflake上のデータを探索可能になります。
アーキテクチャ概要について
アーキテクチャの流れは次のとおりです:
- ユーザー入力
Streamlitアプリ上のフォームに自然言語で質問(例:「先月の地域別売上トップ10を教えて」)を入力。 - Cortexへの送信
アプリはSnowflake CortexのText to SQL機能を呼び出し、自然言語をSQLに変換。 - SQL実行
生成されたSQLをSnowflake上で実行。結果は即座にテーブルやグラフとして返される。 - 可視化・利用
StreamlitのUIを通じて、集計結果やグラフをユーザーに提示。
メリット
- データ民主化:SQLを知らないユーザーでも自由に分析可能。
- セキュリティ:Snowflake内で完結し、データ移動が最小化される。
- 迅速な導入:Streamlit on Snowflakeはコード数十行でプロトタイプを構築可能。
まとめ
Streamlit on SnowflakeとCortexの組み合わせは、自然言語による直感的なデータ探索を現実にします。企業はこれにより、分析リテラシーの壁を下げ、データ活用の幅を大きく広げられます。今後のBIやアナリティクスの世界では、「SQLを書かない分析」 が当たり前になるかもしれません。