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Streamlitとは?
Streamlit は、Pythonのみで作れるシンプルかつ強力な「Web アプリケーションフレームワーク」です。HTML/CSS や JavaScript の知識を必要とせず、データ分析や機械学習の成果を直感的に共有できる環境を提供します。
特徴
クラウド展開の容易さ:Streamlit Cloud により、デプロイから共有までスムーズに行うことが可能。
PythonコードだけでWebアプリ化
streamlitのライブラリのインストールを行い
import streamlit as st
を使い、数行で UI 表示が可能である。下記はデプロイした後のUIのサンプルである。

豊富なウィジェット:ボタン、スライダー、セレクトボックスなど、インタラクティブ操作が簡単に追加可能。
高速な開発サイクル:修正したコードは即座にブラウザに反映。
PythonのWebアプリフレームワークとStreamlitの立ち位置
PythonでWebアプリを構築する際には、いくつかの代表的なフレームワークがあります。
- Flask:軽量でシンプル、自由度が高く、小規模から中規模のWebサービス構築に人気。
- Django:大規模開発向け。認証や管理画面などが標準装備されたフルスタックフレームワーク。
- FastAPI:高速なAPI構築に特化し、型ヒント活用による自動ドキュメント生成が可能。
- Dash:Plotly社製。データ可視化に特化し、ダッシュボード構築が得意。
Streamlitの立ち位置は、これらの汎用フレームワークとは異なり、「データ分析・機械学習モデルの可視化・共有に特化した超高速開発ツール」です。業務システム全体を構築するよりも、分析成果やプロトタイプを素早くWebアプリ化する用途に強みがあります。
一般的なWebアーキテクチャとStreamlitの違い
一般的なWebアプリ
- Webサーバ(例:Apache/Nginx)にHTML/CSS/JavaScriptファイルを配置。
- バックエンド(Flask/Django等)がAPIや動的処理を担当。
- フロントエンド(Vue/React等)が画面描画やUI制御を担当。
- 開発者はバックエンドとフロントエンドの両方を実装・ビルドし、サーバにデプロイ。
Streamlitのアプリ
- Pythonスクリプト1本でフロントエンド+バックエンドを統合実装。
- 実行すると組み込みの軽量Webサーバが自動起動し、HTML/CSS/JavaScriptを内部生成。
- フロントエンドのUI生成や更新はStreamlitが自動処理するため、HTMLやJSを自分で書く必要がない。
- デプロイもPythonファイルをアップロードするだけで完了。
最大の違いは、HTMLや静的リソースを別途管理・配置する必要がない点と、UI生成が自動化されている点です。これにより、データ分析者やPythonエンジニアが素早く成果を共有できます。
使用用途
Streamlit の使用用途は幅広く、特に以下のようなケースで重宝されます。
1. データ分析用ダッシュボード
CSV や pandas データフレームを読み込んで、折れ線グラフや棒グラフを直感的に表示できます。
例:販売数の推移を日別に折れ線チャートで表示し、UI上でデータの選択・フィルタリングが可能です。
2. インタラクティブなウィジェット付きアプリ
ユーザーの操作で動的に変化する UI を作るのも簡単です。たとえばドロップダウンやマルチセレクトなどを使って、選択肢に応じた処理結果を表示。
3. 非エンジニア向けアプリ提供
Snowflake のような環境と連携し、SQL や Python を知らない人でも分析結果やグラフを使える AI アプリを提供できます。
snowflake上でstreamlitを使用する場合はこちら。
引用:https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/streamlit/getting-started
4. データ分析プロセスの自動化
マーケティングデータのリアルタイム確認や在庫の見える化など、日常の業務課題をインタラクティブな形式で解決可能です。
データ分析との関係性
Streamlit はまさに「データ分析の民主化」を推進するツールです。
誰でも簡単に共有できる分析成果
CSV → Python → Streamlit で作ったグラフ → URL 共有、という流れが非常にシンプル。BIツールでは難しかったスピード感で展開できます。
非専門家にも優しいインターフェース
技術的バックグラウンドが薄くても、UI上で結果にアクセス・操作が可能。意思決定の民主化に貢献します。
分析サイクルの高速化
分析 → 可視化 → 修正 → 展開、がリアルタイムで完結する点は、従来のレポートやPDFでは得られない迅速さです。